青木の出京その71
作品:青木の出京
作者:菊池寛
彼はその夜、青木の帰るのが待たれた。青木がその小切手に対して、明快な弁解をしてくれるかも知れないという、空疎な希望もあった。また青木が、自分の罪を自分で背負って、主人の前に懺悔する。すると、主人は雄吉の潔白とその犠牲的行動とに感激する。そして、雄吉の友情に免じて青木の罪をも不問にしてくれる。雄吉はそうしたばからしい空頼みにも耽っていた。
底本:「菊池寛 短篇と戯曲」文芸春秋
1988(昭和63)年3月25日第1刷発行
入力:真先芳秋
校正:林めぐみ
1999年1月6日公開
2005年10月17日修正
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